*さぼり
他所に書いたもの転載
記事を二つ引用
"性犯罪の仮釈放者にGPS、行動把握へシステム検討…法務省" (読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090601-OYT1T00608.htm
法務省は、全地球測位システム(GPS)を使って、仮釈放者の行動を把握する仕組みの検討を始めた。
当面の対象は性犯罪を犯した人で、今後2年かけて海外の運用状況を調査し、導入の妥当性を見極める。性犯罪の被害者は「新たな被害が減るきっかけになってほしい」と期待するが、保護観察の現場からは「仮釈放者との信頼関係を築きにくくなるのではないか」と懸念する声も出ている。
現在、韓国や米国の半分以上の州では、性犯罪の常習性がある仮釈放者らにGPS付きの足輪などを装着させ、行動を監視している。米国では刑期を終えた後も一生付けさせる州があるという。
2年前の法制審議会の調査によると、英国も、破壊しない限り外れない発信装置を腕や足に装着させていた。同省はこの3か国に加え、フランス、ドイツ、カナダ、スウェーデンなど、監視制度がある国に担当者を派遣し、現状や効果などを研究する。
小学5年の時に被害に遭い、今も折に触れて事件を思い出す後遺症のため通院を続ける関東地方の女性(21)は、インターネット上で被害者の交流の場を作り性犯罪防止を訴えてきた。「被害者の間でも国の対策は遅れているとの声は大きかった。前向きな取り組みが始まることは評価できる」と話す。
全国被害者支援ネットワークの山上皓理事長も「性犯罪を繰り返す加害者がいる以上、GPSによる監視は必要だ。装着を条件に仮釈放を早めれば、加害者のためにもなるのではないか」と賛成する。
一方、仮釈放者と信頼関係を築きながら再犯防止を目指してきた保護観察官たちの間では戸惑いもある。
かつて連続強姦(ごうかん)事件を起こした仮釈放者らの指導を行ったことがある保護観察官は「初めは指導を嫌がった人も徐々に『自分の女性に対する見方は偏っていた』と理解が進み、こちらの思いも伝わったように感じた」と振り返り、「GPSによる監視システムが、われわれと仮釈放者の関係を変えることになりはしないか」と心配する。
また、受刑者の人権問題に詳しい山下幸夫弁護士は「本人が同意するのであれば一概に悪いとは言えないが、プライバシーや人権の観点から、行動に関する情報の取り扱いは慎重に考えるべきだ」と指摘する。
同省の調査では、性犯罪で服役し1999年に仮釈放された人が2004年末までに再び性犯罪を犯した割合は8・3%。同省幹部は「海外の事例を研究し、まず、児童が被害者となった事件の仮釈放者への利用を検討することになるだろう」と話している。
"法務省:刑務所出所者にGPS 性犯罪者へ導入検討" (毎日jp)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090523ddm012040090000c.html
刑務所出所者の再犯防止に向け、法務省は、出所者にGPS(全地球測位システム)発信装置を装着させる可否を検討する方針を固めた。中でも、子供への性犯罪の再犯が治安を脅かすとの考えから、性犯罪者への導入を検討する。
GPSは、人工衛星から発射される電波を観測点で受信し、位置を測定するシステム。機能を搭載した携帯電話もある。対象は、刑務所からの仮出所者や執行猶予による保護観察対象者を想定。同様の位置情報確認制度は、欧米のほか韓国でも導入しており先発国での導入の経緯や対象者、運用状況などを2年程度かけて研究する。
導入すれば、行方が分からなくなりがちな保護観察対象者の動向が把握しやすくなるほか、子供の安全に対する地域の不安感をなくすとの見方がある。その一方で、人権上の理由から反対論も浮上している。奈良県の小1女児誘拐殺害事件(04年11月)では、過去に女児を狙った性犯罪で2度の有罪判決を受け、服役後の男が事件を起こした。事件後の05年6月、法務省は13歳未満に対する性犯罪受刑者の出所予定日や出所後の居住地といった情報の警察への提供を始めている。【石川淳一】
"再犯率"といわれるものがよく判らない
・初回と同一の犯罪を犯すこと
・初回とは異なる犯罪を犯すこと
この区別が必要であると思う
平成19年版 犯罪白書
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/54/nfm/mokuji.html
第7編 再犯者の実態と対策
第2章 最近の再犯者の実態
第4節 再犯者の実態
1 罪名
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/54/nfm/n_54_2_7_3_4_1.html
5 性犯罪
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/54/nfm/n_54_2_7_3_4_5.html
1犯目が性犯罪の者については,その後再犯に及んだ者の比率(30.0%)は,全体の比率(28.9%)を上回っているが,同種再犯を犯した者の比率は,性犯罪では前記のとおり5.1%であるのに対し,窃盗では28.9%,覚せい剤取締法違反では29.1%,傷害・暴行では21.1%,詐欺では11.0%(本節第1項参照)と,他の犯罪に比べて相当低い。また,1犯目の性犯罪以外にどのような罪名の犯罪を犯しているかについての傾向は,再犯者全体の場合とほぼ同様である。このことにより,性犯罪を犯す者の多くは,他の犯罪者と異なる特異な資質を有しているわけではないことが推察される。
もっとも,他方で,一部ではあるが,性犯罪を多数回繰り返す者が存在することも判明している。これらの者においては,特に性犯罪を繰り返す傾向が強いものと認められる。また,これらの者は,その多数が若年時に初犯の性犯罪に及んでいる。
>このことにより,性犯罪を犯す者の多くは,他の犯罪者と異なる特異な資質を有しているわけではないことが推察される。
だそうである。
"1犯目から2犯目までの再犯期間別構成比"という図版を見ても、性犯罪者の再犯期間がとくに早く、仮釈放中や執行猶予中に行われることを裏付けているとは思えない。であるのに、なぜ性犯罪者をターゲットとしてこのようなお喋りがなされるのだろうか。量刑についてのハナシもせずにいきなり監視のハナシをするのは早計すぎるだろう。
更正という名の治療やカウンセリングや処方のあれこれが、犯罪の心理化に加担する下らないことだとは思うのだが。犯罪と向き合うこと、贖罪を願うこと、社会復帰を目指すことを放り出させるようなバカげた監視装置が動き出すことほど気持ち悪いことはない。
そもそも監視などをしても犯罪は防げないのだ。監視している連中がやってくるのは常に何かが起こった後なのだから。監視をしていれば犯罪が防げる、何らかの犯罪の抑止効果がある、などと考えるのは間違っている。ミーガン(メーガン)法の抑止効果だって立証されていないのに、だ。本当に再犯防止がしたいのならばきちんと筋道を作るべきである。
そして「性犯罪の常習性がある仮釈放者」 なるモノイイだ。
こういったものの検証がどこで行われるのか、どのような線引きがなされるのかが、そもそも分からない。なぜ、監視のハナシから物事を進めようとするのだろうか。そもそも行動を把握することで犯罪抑止になるという理論の筋立てが全く理解できない。「こいつは罪を犯しそうだ」という憶測を元にされる議論であってよいのだろうか。
監視装置の前で、私は疾しくないですよ、と振舞うことで人々が良心を手に入れるような社会は不当な世界だ。
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